[nicomamaお客さま窓口]の助産師がご相談をお受けします。
福岡県北九州市で自宅出産と産前産後ケアを行っている広瀬亜矢さんに密着取材しました。
指型や足型を一羽の鳥に変え、子どもの成長を一緒に楽しむことで “ お母さんたちを笑顔にしたい ” そんな思いで生まれた「イロドリhinata」
がんばらなくてもいい、ゆるゆるっと一息つく時間になれたらと話す亜矢さんの表情からはとても深い愛情が伝わってきます。
私は「小さい頃からチラシの裏に絵を描くような子でした。何かが出来上がっていくのが好き」と話す亜矢さん。大好きなアートで「今を楽しむこと」を伝えています。
出張専門助産院を開業してからは、本質的な「寄り添い」の意味に気づきました。
例えば、若年妊娠や喫煙妊婦さんと聞くと、大概の助産師は固定観念のままに構えるもの。
それは病院にいるその時のその人しか知らないから。生活の場を知り、同じ空間を過ごすことで生まれる信頼関係や、本来のその人と出会える瞬間が本当の「寄り添い」に気づけたきっかけだったと亜矢さんは話します。
母親の笑顔が子どもたちへ伝わっていく社会になったらいいな。
「私は、ちょっとした智慧を伝えるだけ。その中でお母さんが自分に合う選択肢と出会えて、心地よく過ごせるなら答えはない」と経験から得た言葉にはとても深い助産観を感じました。
亜矢さんが自宅出産に向かう時の大切な相棒 “おかもち”さん
“おかもち” とは岡持ちと書き、通常は出前に用いられる料理や食器を運ぶ箱のことを言います。亜矢さんが “おかもち” と親しむ箱の中は、命をつなぐお産どうぐが詰まっています。お産がはじまると同時に開かれる扉。たくさんの命の誕生を見守ってきた “おかもち” からは深い佇まいを感じました。
なかむら産家医院の “おかもち” を譲り受けた亜矢さん。愛着と継承、初心を大切にする想いが伝わってきます。
「赤ちゃんをとりあげてほしい」というお母さんの声とともに始まった開業助産師としてのスタート。
亜矢さんが自宅出産をお手伝いする映像を拝見させていただきました。お母さんと赤ちゃんとのキャッチボールで、亜矢さんの表情は穏やかに、エネルギーを感じながら自然とよろこびが溢れてくる様でした。
巡り合わせで人がつながっていくとは、こういうことか!と感じさせる一コマがありました。なかむら産家医院の食堂で働かれていた職員のご家族が自営するお店に行った時のこと。帰り際にご家族から盛大にお見送りされる姿に、人とのつながりを大切にする亜矢さんの人望を感じました。
「子宮を喜ばす!」「お母さんが喜ぶ笑顔がみたい!」
そんな言葉を繰り返す亜矢さんから、助産師として、そしてひとりの女性として、出会った人たちを包みこむ深い愛情を感じました。
関東の総合病院に勤務後、福岡県北九州市小倉南区にあったなかむら産家医院に12年勤務。現在は自宅出産専門の日向助産院を開業してます。 妊娠出産産後のサポートと共に、作家として大好きなアートでお母さん達の笑顔を応援中です。