[nicomamaお客さま窓口]の助産師がご相談をお受けします。
東京都内の出産施設に勤務しながら、地域の子育て支援に注力し続ける山本ゆかりさん。人とのつながりを大切にしながら生み出される活躍の姿にいつも勇気づけられます。
そんな山本ゆかりさんの今に密着しました。
2021年3月11日
東日本大地震に想いを馳せながら迎えたこの日。
雲ひとつない晴天の空の下 「smile eat」 がオープンしました。
「smile eat」は “こころもからだもukiukiする食を丁寧に届けること” をコンセプトにゆかりさんのお母さまが新しく始められたお店です。
ゆかりさんは「母が人生で最高に楽しむためのお店」と表現しています。
作り手であるお母さまが「心から笑顔になれますように」という深い願いが込められています。
北赤羽駅から浮間橋へ向かうと、明るいグリーンカラーの「smile eat」の暖簾が “ここですよ” と場所を教えてくれるように風にそよいでいました。
近づくとお店の前は、かつお出汁のしあわせな香りが漂っていました。キッチンには、お母さまと生後4か月の子をおんぶしたゆかりさんが、せっせせっせと愛情込めて手づくり料理を拵えていました。
オープンを待っていたかのように、お客さまが次々と訪れます。
母と子ふたりの笑顔とともに、1人また1人とパウンドケーキとお弁当が届けられていきます。オープン日は、予定していたお弁当とお出汁のお椀、パウンドケーキ40個が1時間で完売という大盛況ぶりで、幸先良いスタートとなりました。
「smile eat」開店の裏側には、お母さまとゆかりさんの90日間の葛藤と決意がありました。お母さまが簡単に会社を辞められない本当の理由と、ゆかりさんがお母さんを想う気持ち…親子が心から向き合った90日間だったと振り返っています。
お母さまが長年勤められてきた仕事を辞めてほしかった理由には「全ての不安を忘れるくらい、思い切り自分の人生を楽しんでほしい」というゆかりさんの願いがありました。
「母へ感謝を伝えたいと心から思った。心から笑ってほしい。これからの人生を笑顔で生きてほしい…今その準備をしています」と、オープンひと月前に取材した際のゆかりさんの眼差しと言葉からは、深い感謝と決意が感じられました。
「母の几帳面さはパウンドケーキの裏面のシールでわかります。そんな几帳面な母が作るパウンドケーキは、何度も何度も細かく試作した自信作のパウンドケーキ、ぜひ一度ご賞味いただけたら嬉しいです」
お母さまが何度も試作を繰り返したパウンドケーキは、手にとると素材を大切に愛情込めて作られたことが伝わり、口にするとほっぺたが落ちそうな程に幸せを感じる味でした。
ゆかりさんは “かつお節” が大好き。
暮らしの中にかつお節が生きづいた生活をしています。
かつお節との出会いは、第一子出産後の補完食でかつお出汁の可能性を知ったことがきっかけでした。
助産師でありながら “にんべんだしアンバサダー” として、かつお節の魅力を伝えています。かつお節がどのように私たちの元へ届くのか、そしてかつお節の底知れぬチカラや美味しい召し上がり方などを丁寧に伝え続けています。
ゆかりさんの大好きが詰まったかつお節の魅力を広げる活動の根本には「お母さんたちを笑顔にしたい」という真心が込められています。
ゆかりさんと出会ってかつお節の魅力を知った方は、お母さんだけでなく、子どもやご家族にまで愛情送りされ、かつお節が生活に根付いていきます。
“子どもは素材本来の旨味をよく知っている博士”
子どもたちが素材そのものであるかつお出汁を何度もおかわりしている光景が忘れられません。子どもは本当に正直だなと感じます。
ゆかりさんは今、かつお節料理やかつお節にまつわる情報をお届けする “365日かつお節チャレンジ” を紡ぎ続けています。限りないかつお節への愛情と可能性が感じられる記事です。是非、多くの方へ読んでいただきたいと願っています。
ゆかりさんは助産師として、そして2人の子どもの母として、妊娠・出産・育児を経験してきました。
「お母さんと赤ちゃんに優しい居場所をつくりたい」
この言葉には、妊婦健診はエコーを受けに行く場という概念や、妊娠中の悩みや不安を相談できる病院が少ない現実に、衝撃を受けた背景があります。
ゆかりさんは「助産師と話す機会のない人が多い。自分の身体にも気づけない、良好に妊娠期を育むこともできない。ただ淡々と日々が過ぎて、準備ができないまま赤ちゃんを迎えることが当たり前になっている。それを変えたい。」と話します。
「今回の妊娠は、たくさんの助産師に見守られて、一生忘れることのないとても安心した妊娠生活でした。思うようにいかないこともあったけど、支えてくれる人の存在や、これまでの積み重ねがあったから、理解して前向きに受け入れることができた。この経験をこれから産む妊婦さんへ伝えられたらと思います。」
「産婆さんの文化である五感を大切にする妊娠・出産・育児を継承していきたい」
ゆかりさんと話していると、ただ強い信念を持っているだけではなく、大きく包み込まれるような真心と希望が伝わってきます。ゆかりさんの愛情が1人また1人と伝わっていく景色が目に浮かびました。
ゆかりさんの人脈はとても豊かです。
ワクワクすることに対するアンテナは人一倍で、心から好きなことと向き合っている時は、全身から喜びが溢れています。それがそばにいる私たちにも、愛情となり伝わってきます。
そのため、ゆかりさんに会うと自然と笑顔が溢れます。
今回のマガジンでは、お母さまと築き上げた「smile eat」をご紹介しましたが、ゆかりさんは人とのつながりを大切に、かつお食堂のかつおちゃんとの交流や、ヨガ講師とのコラボイベント、補完食教室やお出汁教室、子育て支援の「ukimama」「和〜nagomi〜」など多様に活動されています。
是非、ゆかりさんと出会い、心通い合う時間を過ごしていただけたらと思います。これからのご活躍がとても楽しみです。